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天皇と東大---立花隆

用意だけしておいて、「読んだ本」のコーナーを放置していた。



天皇と東大 大日本帝国の生と死 上天皇と東大 大日本帝国の生と死 上
(2005/12/10)
立花 隆

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天皇と東大 大日本帝国の生と死 下天皇と東大 大日本帝国の生と死 下
(2005/12/10)
立花 隆

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上下巻買っちゃった^^;
駒場の生協で一割引。

「天皇と東大」は、近代日本の歩みを東大という窓から見てみようという本。

東大はもともと文明開化・富国強兵を進める明治政府が、西洋諸国に追いつくために人材を育てようと設立したものだ。すなわち、西洋の学問を輸入する拠点であり、かつ官僚養成学校であった。今日東大がもたれている偏見を巨大化すればイメージが湧くだろう。

まぁそんなわけで近代日本に大きな影響力を持っていたわけだ。


高校では地理を選択肢、近代日本の歴史をほとんど知らない私にとっては、なかなか興味深い話が多くあった。
なぜ明治維新・文明開化で西洋化した日本が、後に天皇絶対視の専制国家になってしまったのか。あの戦争に突っ込んでしまったのか。あの狂気の時代はなんだったのか。
高校で地理選択の私にとって、激動の20世紀の日本というものは全く理解しがたいものだ。
そのあたりについて、この本を読めばかなりのことを知れるだろう。

人間なんてものは60年たってもかわらんもんだ。

当時の軍部なんかは天皇陛下万歳なんだから、天皇の命令だけには絶対服従しているのかと思っていたが、2・26事件なんかではぜんぜん違う。美濃部達吉の天皇機関説だって昭和天皇自身の支持を受けていた(が、公表されはしない)し、逆に関東軍の暴走はそれ以上の明確な統帥大権侵害だった。
この本を読んでいて一番かわいそうなのが昭和天皇。あの方は戦後のコメントとかを見ている限り、頭のいい方だと思っていたが、やはり戦争に乗り気でなかったようだ。その上たびたび自分の命令を無視する軍部に不信感すら抱いていた。それでも、明治憲法下の立憲君主として、議会が決めたことに自分の意思で反対しない、という態度をとられている。
ちなみに、このような態度を頑なに守るようになったエピソードも載っている。それ以後は2・26事件で軍部が動かないから自分で討伐に出ると激怒していたときと、終戦のとき(これは表決が割れて議長に要請されたため)だけだそうだ。なんて強い人間だろう。愛国心云々の前に個人として尊敬していしまう。

と、なんだか愛国青年みたいなこと書いてしまったが、私は政治不信の極みのような人間なんで。
むしろ高福祉の考えなので左より・・・まぁそんなことはいいや。

左翼だとか右翼だとか、学生たちも政治運動学生運動に巻き込まれていく。
そこらへんもいまとはかなり違っていて面白い。

この分厚い本は、極端に簡潔にまとめようとせず(たぶんかなりまとまっているんんだけど)、引用をかなりするなど、当時の歴史をよく知ることができる(立花隆の偏見が入っているには違いないが)
歴史をほとんど知らないなら、こういった本を読んでみるのもいいと思う。

そういえば前半で大学の自治だとか学問の自由だとかが出てくる。
大学人として、このあたりだけでも読む価値はある。

上下巻買わなくても図書館にあるだろうし。
本気で全部読むには長すぎるけど。
もうすぐ文庫が出るとか出ないとか。
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Author:othmer
下流社会から東大を目指した。
東京大学工学部卒業。
同大学院工学系研究科。

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