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目的と手段が入れ替わり、逆に目的は達せられない。

WEBを見ていたら、おもしろい記事を見つけたので、ここに紹介します。

 私は日本の国語教育に強い不満を持っています。それというのも、文章の書き方を論理的に教わらないからです。
 自分の経験では、小学校の夏休みの宿題であった読書感想文や作文といったものをやることで、文章を書く技術が向上したとは思えません。
 まともに教えられたのは、「起承転結」くらいなものです。あとは「手紙のように」だとか、「物語のように」だとかいった、なんとなくの感覚でしか、文章の書き方を教わりませんでした。大学生になって、他人の文章を読む機会がいくらかありましたが、文章を書く仕事についていない人の文章は、同世代でも上の世代でも下の世代でも、言葉の羅列の域を出ていないものが多かったように記憶しています。おそらく、このblogの過去の記事を見ても、そのような記事が多いのではないかと想像します。 自分の考えを他人に伝える技法としての言語技術というものを意識したのは、大学に入ってからでした。東大生協では論文の教室という書籍がランキング上位に入っています。
 「コミュニケーション能力」というものが大切だと言われて久しい昨今ですが、その内容はハッキリとしていません。酒を飲んで、その場のノリに合わせてなんとなく盛り上がる宴会的「コミュ力」以上の意味は、そこには無いのではないかとさえ思えます。もし、「コミュ力」が意思疎通を円滑化し、意見の差異を認め、それを乗り越えて合意を形成する能力であるならば、小学校や中学校の国語教育において、まだまだ出来ることはたくさんあるはずです。

 こういった問題意識に対して、問題の背景を浮かび上がらせ、これから日本の教育はどのような方向に向かえばいいのかという分析を見つけました。ぜひ、これを多くの人に読んでもらいたい。小中学校で先生をやっている友達にも、見せてみたいと想いました。

ベネッセ研究教育開発センター:BERDバックナンバー2006年度, 6号:日米仏の思考表現スタイルを比較する
特に重要だと感じた部分を太字にして、引用しました。
---以下引用---
Q.日本の国語教育では書き方の様式を教えず、創作文を書かせませんが、それはなぜですか。

 これには歴史的・文化的な背景があります。日本でも公立学校が設立された明治期には、むしろアメリカ以上に「型」から学ぶ形式模倣主義の作文教育が主流でした。ところが、大正期に子ども中心主義の新教育運動が世界的に広がると、明治の形式模倣主義への反省から、型を壊して子どもらしい文章表現を重視する「綴り方」が在野の文学者から提唱されました。綴り方は単に「書く技術」ではありません。子どもが体験や考えをありのままに書くことを通じて「人格修養」することを主な目的としていました。このアプローチが現場の教師に圧倒的な支持を得て、「生活綴り方」から戦時中の「国民学校の綴り方」へ、そして戦後も「学校作文」としてその精神は脈々と受け継がれ、現在に至っています。
 ところが皮肉なことに、型を壊したと思いきや、結果として「子どもが見たまま、感じたままを綴る学校作文」という唯一の型を作り上げてしまいました。
(中略)
 型を知らずに「自由に書け」といわれても、いったい「何から」自由になればよいのか分かりません。その結果、「起こったことをありのまま書いて時系列で気持ちの変化をたどる」という書き方が逆説的に唯一の型になってしまうのです。
(中略)
 日本の「学校作文」は小学校ではその機能を十分に果たしていると思います。しかし、中学や高校になっても、それに代わる書き方の様式が教えられないため、大学へ行っても社会に出ても「子どもの作文」しか書けないのだとしたら、これはたいへん深刻な問題といわざるを得ません。

---引用終わり---

このインタビュー記事はどの質問と回答も非常におもしろいので、ぜひ通して読んでみてください。
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[T4] まとめ【目的と手段が入れ替わ】

WEBを見ていたら、おもしろい記事を見つけたので、ここに紹介します。 私は日本の国語教育に強い不満を持

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Author:othmer
下流社会から東大を目指した。
東京大学工学部卒業。
同大学院工学系研究科。

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私は乗り越えた。君にもきっと、できる。


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