Entries

#1 東大へ行こう!

お金がない。大学へ行くお金がない。
それでも私は東大へ行きたいと思う。

ここへブログを書き始めたのも早8年前のことだ。
それからさらに少し前、私はそれまで経験したことのない困難に出会った。
進学校と呼ばれる公立高校の生徒として、当然のように大学へ進学するものだと思っていたところに、お金の問題が現れた。
母子家庭に育った私は家が貧しいことくらいわかっていた。しかし、大学進学がキツイほどだとは認識していなかった。そもそも、大学で学ぶことにどれほどお金がかかるかわかっていなかった。
ただでさえ東大に合格できるだけの勉強をするのが大変なのに、お金の問題まで加わって非常に苦しい思いをした。実際には味わわなくてよい苦労をした。

いま私は東京大学で修士課程を修了し、民間企業で研究者として働いている。
前に述べた問題は、確かに大変な思いをしたものの、乗り越えることができた。
同じような問題に直面している若者の参考になればという思いから、ここに経験をまとめておこうと思う。


第1回は、どうして東大へ行きたいと思ったのかを書いてみよう。

#1 東大へ行こう!

東大生なんて見たことのない地方の高校生だった私にとって、東大は日本一の大学だった。憧れの的だった。
そんな東京大学に困難を抱えてまでなぜ挑戦しようと考えたのか。その理由は大きく3つあった。


(1) 経済的な見通しが明るい
そもそも大学進学にかかるお金に困っていた。学費も生活費も自分でどうにかしないといけないという中で、大学生活を東京大学で送ることに魅力があった。

まず支出の点では授業料免除制度の存在が大きい。年間54万円の授業料は非常に大きな負担だ。それが免除されるとなればずいぶんと見通しが明るくなる。授業料免除制度自体は各国立大学にあったが、当時東大の情報開示が最も進んでいた。年収400万円以下の家庭の学部生は全額免除することが公式に発表されたのが、ちょうど私が東大に入る前の年だった。さらに学生寮の家賃も月額1万円(当時)と安く、学生生活に必要な最低限の支出をかなり抑えることができると予想された。
東京は物価が高いため学生生活にお金がかかりそうなものだが、家賃さえ抑えられればあとは生活の工夫でどうにかできるはずである。

一方で、収入の点でも東京大学は魅力的といえる。莫大な学費生活費を賄うには、なんとしても給付型奨学金をとりたいところである。しかし、日本では学生支援機構をはじめとした貸与型奨学金(借金)が主流である。その数少ない給付型奨学金は、学業優秀であるほど取りやすいことは想像に難くない。となれば、東京大学の学生であることが最も有利に働くと予想された。
さらに、条件の良いアルバイトが期待できる。家庭教師や塾講師のような受験産業のアルバイトは時給が高い。そうでなくても東京は物価が高いことの裏返しでアルバイトの時給も高い。すなわち収入を増やしやすい環境といえる。学費が全国どの大学も年間54万円であるならば、時給のいいアルバイトがある場所で学生生活を送ったほうが楽だろう。

このように、東大に入ることは支出を減らす点でも収入を増やす点でも好都合といえる。
このほかに、就職活動で学歴がある程度重視されることを考えれば、東大に入ることは将来の収入を増やす面でも有利になる。これは卒業時に数百万円まで膨れ上がる貸与型奨学金(貸与)の返済を考える上で重要になる。


(2) 進路決定を先送りにできる
多くの大学は学部または学科ごとに受験する。受験時に専門を決めてしまうわけだ。ところが、東大は2年間の教養課程ののちに進学振り分けを行い専門を決める。
高校生の狭い視野ではなくて、大学の学問に実際に触れてから専門を決めたいという思いを抱いて東大を選ぶ学生は多い。私は理系のなかでもバイオから素粒子、コンピュータまで広い分野に興味を持っていたのでなおさら専門の決定を先延ばししたかった。

そのうえ、他の受験生にはない経済的な問題が私にはあった。受験時に専門を決めることまで悩んでいられないというのが正直なところだった。

(3) 日本一の大学である
日本で最高の大学はどこかという質問には、難しいことを考えなければ、東大という答えが一般的だろう。
苦しい受験競争を乗り越えるには、この点が案外重要だ。一番であるというプライド、承認欲求の満たす日本一という響きが受験生を奮い立たせる。
特に、私の場合は「これだけ苦労して大学へ行くというのだし、どうせなら最高の大学へ行かなければ」という理屈にもなった。

そもそも、大学というところへ入ったら終わりではない。大学で学び、自分を成長せさて、卒業後に活躍しなければならないのだから。
個人的な経験からしても、一番であることは重要だと思っていた。小中学校では勉強ができるがパッとしなかった自分が、地域で一番の進学校にギリギリひっかかって入ったところ、レベルの高い友人たちと恵まれて大いに成長できた。それこそ、東大を目指せるレベルにまで。
優秀な人たちに囲まえることが、学生生活をおもしろく、実り豊かなものにしてくれるという確信を持っていた。


大きくはこの3つの理由から私は東大へ行きたいと思った。
関連記事
東大生ブログランキング
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)
http://straitgate.blog112.fc2.com/tb.php/442-e76e6e24

0件のトラックバック

1件のコメント

[C714] ありがとうございます

本日、2度目のコメントになります。
母子家庭だったのですね。
ご苦労されたのですね。
本当にご立派な高校生であられたのだと思います。
実は私も母子家庭の母親です。
子供は、もともと私立の中高一貫校に通っておりましたが、私が離婚するに至り、高校から公立を新たに受け直していただきました。
子供には、本当に不憫な思いをさせておりますが、それでも私についてきてくれ感謝しております。
高校に入り、周りの友達にも感化され、今は高校2年で、東京大学の文二を目指しております。
私はただびっくりしましたが、その思いを知ってから、応援していこうと思うようになりました。
お金のことを考えても東京大学は大変通いやすいもいうことを知りました。
管理者様のように、自分を強く持つことができず、自分に甘く切れやすい子ですが、心根は、素直な芯があるのをいつも感じさせてもらえるので、子供を信じて、管理者様のような素敵な仲間によって、感化され、大きく世界を見れる子になってくれるのを願っております。
これからも、応援させていただきます。
本当にありがとうございました。

コメントの投稿

投稿フォーム
投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

Appendix

プロフィール

othmer

Author:othmer
下流社会から東大を目指した。
東京大学工学部卒業。
同大学院工学系研究科。

東大生ブログランキング


「お前を東大にやる金はない」
そう言われても諦めず、このblogを見つけた君にささげよう。
私は乗り越えた。君にもきっと、できる。


質問など返答が必要な場合はメールでお問い合わせください。
※PCからメール(hotmail.com)を受信できるようにしてください。
※ご自身のメールアドレスが間違ってないか確認してください。返事ができません。

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索