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#3 東大を目指す:塾は必要?

東大レベルを目指すなら塾予備校は不可欠か。
世間に流布する情報の多くは受験産業のプロパガンダであったとしても、高みを目指せば専門家の助けが欲しくなるもの。


#3 東大を目指す:塾は必要?

結論から言えば、塾予備校は必ずしも必要でない。
実際に、塾予備校に通っていなかったという学生は何人もいて、地方出身者に多い。
それというのも、塾や予備校の果たす機能を考えれば、高校の先生の協力や自身の創意工夫によって代替可能だからだ。
東大合格者の何%が利用したという広告がよく見られるが、因果関係としては東大に受かるような高校生が通っていると考えてもよいだろう。
東大入学者の中で数として多い大都市圏の裕福な高校生、進学校の生徒が予備校に通うことが多いからだ。

受験生にとって、予備校の機能とは何だろうか。
私の考えでは「教材の提供」「カリキュラムの作成」「スケジュール管理」「質問対応」「競争相手・場」の5つがある。
私が浪人時代お金がないのにわざわざ予備校に通った理由と捉えてもらってよい。
この5点について以下で代替可能性を含めて詳しく見てみよう。

1. 教材の提供
東大の入試問題は、特に理科において、教科書の知識のみを前提としておりどれだけ難しい問題であっても考えれば答えを出せるようになっていると言われている。
とはいえ、難易度の高い入試問題に対応できるようにするために、ある程度難しい問題に触れていることが有利になる。
うんうんと思考する経験を重ねること、いわゆる問題演習によって試験時間内にそれらしい思考をできるようにするためである。

実際に受験を経験したわけでもない高校生にとって、入試と同程度に深い思考を要求するようなレベルの問題集を自ら選定するのは簡単なことではない。
ここで、塾や予備校に頼れば適切なレベルの問題を提供してくれるというわけだ。塾や予備校が「xx大コース」という形で分かれているのはターゲットの大学入試のレベルに合わせた教材を提供できていると期待させるものである。

では高校生が塾や予備校の力を借りずに適切な教材を選定できないかといえば、そうでもない。
例えば、熱心で優秀な教師が学校にいれば、先生のアドバイスを受ければ済む話である。毎年何人も東大京大に進学者を出しているような高校であれば、各教科に誰かしら頼りになる先生がいることだろう。
また、独力で選ぶのもそこまで難しくはない。それというのも、インターネットなどを通して受験情報を手に入れられるからだ。
世の中で大量に流通している参考書・問題集の中で高度な問題まで対応できるものは多くない。
結局のところ、有名で歴史のある参考書が頼りになる。

たとえば、数学なら青チャートまたは赤チャートや大学への数学、理科なら数研出版の重要問題集あたりである。

さらにいえば本番のレベルを経験することを目的とするならば、その大学の過去問を当たればよい。
東大では25年分の過去問が出版されているほどで、かなりのボリュームの本番レベル問題を経験することができる。
過去問の難点は学習指導要領が変わって出題範囲が自分の受験する試験と異なる前提でつくられているものも含まれることだ。そのため、あまり古い問題はやっても仕方がない可能性がある。
また、赤本や青本といった過去問題集の回答は大学が発表しているわけではなく、出版元が勝手に作っているものであるため誤っていることがある。難関大の過去問について青本を推奨されることがあるのは、青本は駿台の講師陣が作っているから大丈夫だろうという理由からだ。

2.カリキュラムの作成
東大の入試問題が教科書の内容さえ分かっていれば解けるように作られていることは上で述べた通りだが、そもそも教科書の内容がすべて高校3年間で終わらないことがある。
公立高校などでこの傾向が強いようであるが問題にならないのは、多くの大学は教科書の後ろの方、高度な内容を出題しないことが多いからだろう。たとえば、私が在学した高校は物理の原子核分野の授業は希望制とされ、受けたのは東大京大を受験する生徒だけだった。

問題演習に取り組むには、その前に一通り授業を受けて内容を理解しておく必要がある。
問題演習の量が入試突破には重要なのに、そもそも授業がなされなかったり、入試直前の1月や2月に授業が終わるようでは問題演習の時間が取れない。
これがカリキュラムを大きく調整できる私立中高一貫校が大学入試に強い理由でもある。

もちろん、塾や予備校であればターゲットの大学入試の対策に必要な講義を用意してくれるはずだ。
必要十分な講義内容でなるべく早く講義を終わらせて問題演習をできるようにしてうれるのが塾や予備校の効果というわけだ。

この点を自力でカバーしようと思えば独学することになるだろう。
独学というと難しいように聞こえるが東大を受験するようなレベルの高校生ならば教科書の内容は読めば理解できるだろう。わからなければ学校の先生に質問することだってできる。
後述すること内容と重なるが、講義の内容というよりも受験に間に合うペースで進めることの方が重要である。

3.スケジュール管理
大学受験は入試という一点に向けて計画を立て、着実にこなしていく必要がある。
問題を解くという点については上で述べた「カリキュラム」に含まれるが、入試でスケジュール管理が必要なのはそれだけではない。
大学受験にはいくつかの手続きが必要だからだ。

ひとつ目は出願。
センター試験の出願、二次試験の出願を「ちゃんと忘れずに期限内に」済ませることが受験の最低条件である。
しかし、締切や願書の取り寄せ、受験料の支払などを確実に済ませることができない人がたまにいる。事故であったり、うっかりしていたり理由は様々だが、締め切りを過ぎれば後の祭り。
高校生なら学校が基本的に果たしてくれる役割だが、特に宅浪している浪人生は注意が必要な点だろう。

ふたつ目は模試。
一般的な模試。夏と秋の東大模試。センター試験のマーク模試。
受験生にとってはメルクマールであり、ペースメーカでもある。
いくら独学で貫こうとも、模試を受けないというのは難しい。
言わずもがなではあるが、自分のレベルを認識することが適切な対策をするためには必要である。
こちらも申し込む、受験するといった手続きを忘れずにする、確実にする。そのためにいちいち指摘をしてくれる人がいるといのはありがたい。

余談だが、奨学金についても注意が必要だ。
学生支援機構の予約採用や公益財団の給付奨学金など高校在学時に手続きが必要なものもある。
高校3年の4月から6月ごろに申し込みが必要だったりするので、必要な方は注意してほしい。


4.質問対応
過去問を解いて解説も読んで、それでもわからないときはどうすればいいのだろうか。
自分がわからないことを質問できる相手が欲しくなる。
読んで理解できるだろうといっても、考えてもわからないことはあるし、自分理解が正しいのかを直接確認したいときも出てくるはずだ。

これも学校の先生に頼れればそれで十分な話ではある。
ただ、考えてもわからないような難しい問題の場合は、ある程度受験に強い「優秀な」先生がいないと質問できない。
注意してほしいのは、塾や予備校でも質問に答えらえる人材がそろっているとは限らない点だ。
通信制の予備校ではスタッフが質問対応できず、本部に質問を送ったりテレビ電話をしたりという形式で対応していることもある。(たいてい本部には東大早慶あたりの学生がバイトで入っている。)

最近ではネット上で質問に答えてくれる親切な方も増えている。
頼れる人を探すのが大変ではあるが、礼儀さえ守ればたいてい親切に対応してくれるのがありがたい。
東大生なんかは受験勉強が青春の一部でもあるので頼られるが嬉しかったりする。

質問に対して返ってくる答えの信頼性を考えれば、学校の先生に頼れるのが一番ではあるが。


質問とは少し違うけれども、記述式の回答を採点するというのも自分では難しい。
採点も質問対応と同じくしっかりとした能力のある人が必要だ。
信頼できるは学校の先生、予備校の講師あたりか。通信制の予備校は大学生バイトが採点していることが多いので信頼性はそこまで高くない。
この点だけを業者に頼りたいと考えれば、Z会などを使う手がある。

5.競争相手・場
これは性格によるのかもしれないが、私はわかりやすい競争相手が目の前にいる方がやる気が出るタイプだ。

同じ目標に対して、同じレベルの受験生と競争できる環境がモチベーションをあげると期待される。
同じ教室で勉強していて気が緩んだときなどライバルの姿を見て気を引き締めるといった感じである。

田舎の方では特に同レベルの競争相手を見つけるのが難しい。塾や予備校には、同じ大学を目指す受験生を濃縮する機能がある。
もちろん、これも高校の中で見つけられれば十分なのだが。
高校生というよりも浪人生にとって有効な機能だろう。

最近ではSNSで遠くの受験生とつながりをもつケースも見られるようだ。
ただ、うまく自律できる人でなければやめておいた方がいいだろう。
スマホを触っている時間が延びれば、その分勉強の時間が減るのは必然である。
ライバルを得てやる気を上げるために、本来やるべき勉強ができなくなっては本末転倒である。
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othmer

Author:othmer
下流社会から東大を目指した。
東京大学工学部卒業。
同大学院工学系研究科。

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