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「学生支援機構の奨学金は消費者金融より悪質」なわけがない

毎年入試シーズンになると盛り上がる教育とお金の話。
今年は東洋経済が日本学生支援機構の機構長のインタビューを掲載しています。

「日本は努力次第で上に行ける平等社会だ」
学生支援機構トップが奨学金制度批判に苦言

東洋経済ONLINE

記事の主題としては「貸与型奨学金(公的教育ローン)の運営組織である日本学生支援機構は、巷で非難の的になっているが、そこまで悪いわけではない」といったところです。
もう少し言えば「名前が出てきてわかりやすい組織を悪者にして叩いて、日本の高等教育を取り巻く問題を正視していないのではないか」と指摘しているともいえるでしょう。

私の考え方も機構長に近いものです。
そもそも無担保で数百万円を融資するなんてことは金融としてありえません。
この時点で制度としてネガティブかポジティブかでいえば、ポジティブな存在です。
(日本の高等教育を見渡したときに公的負担が少なすぎる、といった大局的な話とは区別しています。)

世の中ではタイトルに書いたように「奨学金を借りるくらいならサラ金の方がまし」などという誤った主張をする方がおります。
実際に金利の比較から、有利子の第2種奨学金の方が民間の教育ローンよりも負担が小さいことを指摘している記事がありました。
著者は奨学金で東大、ハーバードと進学されていますが、私よりもハードな家庭機環境な方です。
地方の貧しい家庭から東大に進学するという経験によって、学べること、貸与であっても奨学金があることがどれだけありがたいか、私は身に染みてわかりました。
学生支援機構がサラ金よりも悪質か比較してみた
本山勝寛


問題は、現在日本の学生が置かれている経済状況を鑑みて、支援が十分かといえばそうでないだろうという点です。
思い付きでいくつか挙げてみます。

(1) 給付の奨学金(本来のscholarship)がない(と思われている)。
・公益財団法人などの奨学金はいくらかあるものの、存在が広く知られていない。知らなければ存在しないも同じ(だから問題になる)。
・規模も大きくないので救済される学生はごく少数に限られる。
・授業料免除についても同様のことがいえる。

(2) 授業料以外の経費があまり考慮されていない。
・都市部(特に東京)は住居費が高い。一方で大学に廉価な学生寮が足りていない。このため生活費がかさむ。
・教科書代が高い。大学の授業で使われるような専門性が高い本は新品で買えば2,000円~3,000円はする。古本もあまり出回っていないし、図書館に何冊も蔵書されているわけではない。
・大学で真剣に学ぼうと思えば学業に相当な時間がかかりアルバイトをするにも限度がある。特に理系は実験などで時間的な制約が大きい。

(3) 卒業後の雇用状態が不安定化。
・非正規雇用と正規雇用の賃金格差をはじめとした日本の労働問題と結びつくことで、返済するに十分な収入を得られない、難しい場合が出てきた。

(4) 労働環境の変化にも関わらず教育行政側の対応が遅れている。
所得連動返済制度が始まったものの、問題になることが多い有利子の第2種ではなく無利子の第1種を対象にしている。もちろんこの制度がないよりはずっと良い。
・卒業後どうやって稼いで生きていくのか考える機会が乏しい。考える基になる情報が手に入るようなキャリア教育がなされていない。


これらの問題には一体どうしたらいいのでしょうか。所得連動返済制度が始まったように、少しずつは前進しているのですが、さらに前に進むためには?
意見のある方はコメントしてください。


東洋経済の一連の記事はちゃんとお金の話をしているので読み応えがあります。
高等教育とお金の話になると「悲惨だ」「かわいそう」というものが多くて、「どうしてこうなった」「これからどんな手が打てるか」という建設的な話になりにくいきらいがあります。
問題は仕組みの方にあるのだから、単に仕組みを回している学生支援機構を攻撃しても意味がなくて、仕組みを作っている文科省や財務省といった政府、さらには最終的な決定権を持つ国会をどうにかしないといけないと、私は思うのです。

奨学金が「貧困ビジネス」と言われる根本原因
日本の「教育の機会平等」がはらむ歪みとは?


奨学金「貧困問題」、最大の責任者は誰なのか
返せない人は一部の大学に集中している


余談ですが、機構長のインタビューを読んでいると多くの方が反感を覚えそうな主張がでてきます。
その理由は単純で、機構長は奨学金を「意欲と能力を兼ね備えた者を支援する」ものと捉えており、どちらかでも欠けていると奨学金を受ける資格はないという考えが表れているためでしょう。
4年間の教育で学生が労働者として世の中に必要とされるだけの能力を身に付けさせることができない大学や、大卒の肩書さえ手に入れれば幸福な人生が送れると思って自助努力を怠る学生をやり玉に挙げています。
これはこれで正論ではあるのですが、マクロな話ばかりで公的支援制度で救済すべきマイノリティへの配慮が伝わりません。あまりにも家庭の経済状況が悪く大学に進学する学力をつけるのがやっとというレベルの方(進学する大学を選べない方)が高等教育を受ける権利をどうするのかといった点には、平均から外れた点については、述べられていません。
ただ、これらが述べられていないのはおかしなことではありません。記事の主題からは外れるので記者が省いたか、限られた時間の中では議論されなかったか。すべてに言及することはできませんので。
高等教育の漸進的無償化は条約結んでるよね、といった制度全体の改革については立場上言えないことも多いでしょうし、このインタビューとしては期待しない方がいいでしょう。
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Author:othmer
下流社会から東大を目指した。
東京大学工学部卒業。
同大学院工学系研究科。

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