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奨学金、授業料免除、その制度は有効に働いているか?

私が休学を決めるまで
http://t-ritama.hatenablog.com/entry/2016/05/12/215446


少し前に衝撃的な記事を見ました。

親が大学進学を妨害するために、学力と資金をどうにか工面したのに大学で受けられるはずの経済的な支援が受けられないというものです。

子供が強い意志で大学進学まで能力的にたどり着いたとしても、実際に進学できるかは直接的にも間接的も親の影響力が極めて強いのが実際です。
この記事の筆者は類稀な強靭な精神力で金銭面を文字通り自力でクリアしたのですが、親と絶縁しているおかげで公的な支援の申請ができません。
公的な支援には親の収入を証明する書類が必要なためです。それ以前に保証人がいなければ家も借りられないし借金(奨学金)もできません。

一般的に子供は経済的に親に隷属しています。たとえ経済的な面をクリアしても法律や商慣習によって制約があります。
たとえば、未成年者は親権者の同意がないと契約ができません。家を借りる賃貸契約ができません。
親が明確に進学を妨害する意思がある場合、入学試験に通ってお金を用意できても、学生生活を送ることが難しいのです。

このあたりの本当に深刻な問題を抱えていて支援を必要としている人が制度の網目から抜け落ちているという現象は様々な場面で見られます。
たとえば、奨学金で大学進学すると生活保護費が減額される問題がようやく見直されました。

奨学金で大学進学しても、生活保護費は減額しない運用へ (朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJ5F3JXSJ5FUTFK002.html


生活保護の減額がなされてきた背景には大学進学は個人の栄達のための贅沢品という意識があったのではないかと思ってしまします。
しかし、生活保護という親の経済的な支援が見込めない状況で子が貧困を脱出するには教育が必要です。
子が十分に教育を受けて成長すれば、支援を受ける側から支援を行う側に転換することもできます。

たとえば、このblogに書いてきたように、私は多くの経済的支援を受けてきました。
そのおかげで東大で修士まで教育を受けて、いまでは大手メーカーで研究職をしています。
個人として所得税を払っているだけでなく、勤務先の利益向上によって法人税の増加にも寄与しており、さらに新製品の開発を通して社会に新しい価値を提供しているわけです。
世界の工場として地位を10年以上前に失い、産業の高付加価値化を進めるため日本では高度な人材が必要といいながら、その人材を育てるための投資-教育-を怠っていないでしょうか。
福祉政策は何も弱いものを助けましょうというばかりではありません。特に20代以下の若者に対する公的な支援や教育は、その人が将来にわたって大きな価値を生み出し、社会を豊かにするための投資の側面があることを無視してはならないと私は考えています。

救いようのないことに、学生時代に私は冒頭の記事の方よりも悲惨な話を見聞きしてしましました。
そのとき私は何もできなかったけれど、今回は少しばかりの援助をしました。
私のように公共の支援によって人生を拓いた人は少なからず公共心のある大人になるでしょう。
それも社会全体にとって有益なことではないでしょうか。

ここ数年だけ見ても、日本は経済的な余裕をますます失っているように感じています。
子の教育は親が面倒を見るべきだとかいう旧来の考え方を維持していては、教育を受けて社会をより豊かにするはずだった人材を見捨てることになる、そんな案件が多くなるのは間違いないでしょう。
家族主義ではなく個人主義、意思と能力を持つ人に対する必要性に応じた支援制度を築いていく必要があるのです。
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Author:othmer
下流社会から東大を目指した。
東京大学工学部卒業。
同大学院工学系研究科。

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