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新しい時代を築くには、異端者が必要だ

このblogの読者は高校生を想定していて、それよりも少し年上の大学生から20代の方に向けたお話。
大学で学んだことが働くうえでどのように活きるのか、どのようにすれば活きるのかという点で、興味深い文章を見つけました。

あるソフトウェア工学者の失敗 日本のITは何故弱いか
林晋, 京都大学大学院文学研究科

ぜひ一読いただきたいのですが、まとめると以下のような内容です。
1. 旧世代は新しいものを理解できず、排斥しようとする。
2. 日本社会は安定を求める傾向にあり、米国等に比べて1.の力が強い。
3. 新しい技術や思想を身に付けた若者を社会に送り出しても、社会の側(旧世代)が受容できないために活用できない。
4. 日本社会が変化を受容しやすい社会、失敗を恐れない社会に変わらなければ、このような状況は変わらない。

この文章はIT産業を起点に日本社会を考察したような内容ですが、他の業界でも大差はありません。

ただ単に早く会社に入っただけの人、職位が上の人が、「経験」を基に判断を下す。まわりはその意思を忖度する。そんな場面が日本の科学技術の最先端を謳う企業でも横行しています。
大学で最初の方に学ぶような基礎的な理論や、文献を調べれば検証する必要もないような一般的な知見でさえ、通用しないことがあります。

そんな中で私たちはどのようにふ振る舞えばよいのか。
私の答えは、実証することです。
たとえば、生産性向上のためにAという仕組みがあった方が良いと思えば、実際にAを作って実務者レベル(要は若手のような下っ端)で運用してしまう。仕組みが動いてメンバーが利便性を実感すれば、文句をつけていた人たちの態度も認めるか無視するかに改善する。タイミングが良ければチームの成果、上の立場の人の成果であるかのように位置付けて、事実上の承認を得る。
職場の裁量によってそう簡単にはいかないと思いますが、何かしらやりようがあると信じて考えることは誰にもできます。

上で紹介した文章の著者は教育者という立場から、現場とは違います。いままさにげんなりするような現場に放り込まれる私たちは、考察して悲観して嘆息したところで環境が変わるわけではありません。
私たちが「変わらない日本社会」を変えるしかないのです。
まずは草の根で。ゆっくりと、しかし確実に。理不尽に耐え忍びながら。

さて、そんな難しくて大それたミッションが卒業後に待っている大学生たちは、どうすればいいのでしょうか。
私は「幅広く、しっかりと学ぶこと」「何かを作り上げること」の2点をお勧めします。
「幅広く、しっかりと学ぶこと」は、複雑で面倒な問題を解きほぐし、解決の糸口を探るのに役立ちます。理系だからといってサイエンスの専門知識を深めるばかりでは、会社や社会のアレコレを見通し良くするのは難しいでしょう。一方で、新書レベルのふわっとした表面的な知識だけ集めていても、検証にたえる定量的な考察や実際の仕組みの構築には至らないでしょう。様々な分野の入り口を知っておくことと、少なくとも一つは自分の芯となる分野を掘り下げること。この両方が必要です。(T型人材ってやつですね。言葉にすると軽薄ですが。)
「何かを作り上げること」は有形無形を問いません。デートプランでも、イベントでも、企画でも、小説でも、論文でも、ソフトウェアでも、ハードウェアでも。何かを設計し、組み立て、検証し、実現し、反省する。この一連の流れを繰り返すことで、自分の頭の中にだけあったアイデアなるものが、頭の外に出られるようになります。それは他人に影響を与え、何かを変える可能性を帯びます。これが言うほど簡単ではない。文句を言う人は多いのに、真剣に対案や解決策を作る人が少ないことを思い出せば、人に話せるレベルの案を作ることさえ簡単でないとわかるでしょう。何かを作り上げるのは勇気と根気が不可欠です。しかし幸運なことに、大学はそのために適した環境です。

会社に入ってしまうと、目の前の仕事に追われて長期的な問題や環境改善に取り組む余裕がなくなるのももっともな話です。
それでも、私は少しずつ変化を積み重ねていこうと思います。
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othmer

Author:othmer
下流社会から東大を目指した。
東京大学工学部卒業。
同大学院工学系研究科。

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私は乗り越えた。君にもきっと、できる。


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