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親子の絆し(ほだし)

元SEALDs 諏訪原健「奨学金残酷物語 家庭崩壊した25歳の女性の苦悩」
AERA dot. 2017年8月22日

子どもの貧困と進学、貧困の連鎖を断ち切る上で重要なのが、子ども親から切り離すことです。
親が経済的または人格的に破綻していても、子どもが力強く育つことはあります。
しかし、子どもが頑張って大学や専門学校などに進学をしようとしても、親が壁になって道を閉ざされることがあります。
上の記事にあるような、貸与型奨学金を親が使い込むケースをその一例です。

貸与型奨学金には連帯保証人が求められます。普通の人は親や親族に頼るでしょう。
親元を離れるにはアパートなどの賃貸契約が必要です。ここでも保証人が必要です。普通の人は親や親族に頼るでしょう。
大学で授業料免除や寮の入居を申請しようとすると、保護者の源泉徴収票など収入額を証明する書類を求められます。普通の人は、保護者に頼んで出してもらないことはないでしょう。

では、普通でない人は?
以前にも言及しましたが、親が非協力的というだけで、子ども行動は大きく制限されます。進学のように大きなお金のかかることはなおさらです。
世間には、まともでない親もいます。
それでもまともに育った子が、自分の力で未来を切り拓けるように、社会は手助けをするべきです。

とりあえず、国立大学の授業料免除くらいマイナンバーで自動化してくれないだろうか。
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制約と誓約

ジャンプでとても人気のある作品HUNTERxHUNTERに念という特殊能力が登場します。
念能力には「制約と誓約」、すなわち能力の使用条件を厳しく制限するほど、強い能力を発揮できるという設定があります。

先日、非常に厳しい経済状況から東大に進学した方と会ってお話しすることができました。
その方がなぜそこまで頑張れたのかと尋ねたところ、「制約と誓約」が鍵だとおっしゃいました。
いわゆる死ぬ気で勉強するというのを地でやって来られたそうです。

「死ぬ気で」という表現は人を追い詰めるようで嫌なものだと思っていましたが、実際のところ国立大学ましてや東京大学は超難関です。私も生活のほとんどを受験勉強に費やすくらいの努力をしてきました。精神を追い込む必要はありませんが、たいていの人にとっては使える時間や体力のようなリソースを勉強に集中投下する必要があるでしょう。
そのときのイメージとして、「制約と誓約」はピッタリのことばだと感じました。制限をかけて、自らを研ぎ澄ませば、大きな困難だって乗り越えられる力が得られる。そんなイメージです。
HUNTERxHUNTERを読んでないと通じないのが難点ですが。
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過重労働と働き方改革

五月祭で「新しい働き方」のシンポジウムがあったので、聴講してきました。
東大・五月祭で高橋まつりさんの母親と弁護士が講演 東大新聞主催シンポジウム

第1部が電通新入社員過労自殺で話題になった高橋まつりさんの事件で弁護人を務めた川人先生と母親の高橋幸美さんの講演。
第2部が働き方や生産性に関する仕事をしている方々を迎えて、生産的で働きやすい働き方を実現するにはどうすればいいというパネルディスカッション。
川人先生は東大駒場で1,2年生向けに「法と社会と人権ゼミ」を長年主宰しており、法学志望の学生たちを人権問題の現場へ連れていくことで有名な先生です。

参加者は学生よりも30代以上の方が多いような印象でした。おそらく、第1部の電通過労自殺事件の方に関心が強い方が多いのだと思います。第1部が終わると出ていく人も多かったので。

第1部は事件の詳細な説明を川人先生が話して、最後に高橋幸美さんが後輩たちが同じ目に合わないようにとメッセージを読み上げる形でした。
どこからどう見ても優秀で、根性があって、コミュニケーション能力も高い、一学年3000人の東大生の中でも最も優秀な部類であったはずの高橋まつりさんが過労死に追い込まれたのはなぜか。
組織も上司も壊滅的にダメだったようです。同僚、先輩、上司、人事部、労働組合に相談していても、配置転換や治療、休職などの対応が取られなかったのは大企業として信じられない杜撰な労働環境です。
これは私が電通で働く友人の何人かから聞いた話でですが、高橋まつりさんは相当配属に恵まれなかったようです。大企業といっても、部署が変われば、あるいは上司が変われば、働きやすい職場かどうかは簡単にひっくりかえります。その点で、本当に運が悪かったのでしょう。
電通にしろ、他の会社にしろ、日本社会全体としてもう30年も前から過労死なり過重労働の問題は分かっているのに、有効な対策が講じられてこなかったというのは絶望的な話です。

第2部は最近よく聞く働き方改革をするにはどうしたらいいのかという話です。川人弁護士に加えて、営業の生産性を上げるコンサルタント芦名佑介さん、サイボウズ執行役員事業支援本部長の中根弓佳さん、東大卒で『脱社畜ブログ』管理人の日野瑛太郎さんの4人でのパネルディスカッションでした。
東大新聞が用意した質問にパネリストが答える形式で、みなさんの意見をまとめるとだいたい以下のような感じでした。
・おかしいと思ったら、もっと良い方法があると思ったら、拒否する勇気、議論する勇気を持とう。一度でも断ったら信用を失うかと思いきや、そんなことはない。
・働きやすい職場で従業員が長く働いてくれるのは企業にとってもメリットが大きい。人材の採用や教育に膨大なコストがかかるのはもちろん、人材が定着しない職場では業務改善ができない。1年以内に辞める人が、来年もっと良くするにはどうしようと考えられないでしょう。
・(就職活動に関連して)若いうちは無理が効く。長く働ける職場かどうかは、10年なりある程度働いた人が仕事にやる気や情熱を維持できているか見ると良い。
・勉強ができるのと仕事ができるのは違う。まじめで従順であることが良いわけではない。気負わず、時には別の道を探すことも忘れないで。

第1部、第2部ともに、いわゆる日本的大企業で3年ほど働いてきた私としても、大いに首肯せざるを得ない内容でした。
東大卒の友人たちを見まわしてみても、よく死なないなあと思うような激務をこなしている人たちがいます。過労で倒れたことのなる人も何人かいます。高橋まつりさんとの違いは、まだ死んでいないだけ。
ここ30年ほど、日本人は壊滅的な働き方をしていて、どうにかしないといけない。最近、働き方改革をしないと日本経済が維持できないと政治家や経営者層が口にするようになったことは、小さいけれど重要な前進です。
一方で、そうはいうものの経営者や管理職は現場で働く私たちに生産性を上げろと掛け声をぶつける割に、目に見えるような投資や仕組みの改革を行っていない。仕事量は減らずに時間だけ短くしろという無茶な指示をこなすため、どうにか現場レベルで生産性を上げていかないと自分たちが苦しい。

何だかんだで、東大生の多くは仕事のキツイ大企業に入って過重労働に苛まれます。
そこで、我慢しすぎると本当に死んでしまうよというのが第1部、結局働きやすくない現代社会でどのように生き延びて働きやすい職場を自らつくっていくかというのが第2部の内容だったと思います。

シンポジウムの感想をネットで検索してみると、第1部と第2部の内容がマッチしていないという意見がありました。
労働者の権利向上という観点では第1部のみ、グローバル経済で日本がどう生き抜くかという観点では第2部のみを肯定的に見ることになるでしょう。
私の見方は上述の通り、現実的にここ1,2年で働き出す、それも激務に晒されるであろう東大生たちに、自分を守る術と、自ら環境を改善する術を持ってもらいたいという願いが込められていたのではないかと思っています。

問題があると指摘するだけでなく、具体的に解決まで導けるような人になれると最高ですね。


余談ですが、働き方改革は大いに進めるべきだし、進める余地があります。たとえば、これだけスマホが普及してICTの力を借りられるというのに、お仕事では未だに紙至上主義が残っていたりします。
私はかなり現状に苛立っているので、社内のグループウェアを使って自動化システムをつくるということを業務の傍ら少しずつ進めています。
若手だからと雑用を押し付けられる地位を利用して、雑用で使うシステムを作り、同じ課の人たちに使ってもらうようにしました。最近、それが同じ部の他の課でも使われるようになってきました。
ルーチンの雑用は自動化した方がいいと2年くらい前に上の人に言ったときは、要らないと言われました。しかし、実際に作ってしまえば現場で雑用をこなす人達に便利だと受け入れられ、いまや草の根的に広がり始めています。
この話を東大卒の友人と話したとき、彼も似たような経験があると言いました。自分が会社のICTインフラを便利に使っている様子を見せることで、上の人たちに真似させることができたというのです。その友人はいま、電通で働いています。
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プロフィール

othmer

Author:othmer
下流社会から東大を目指した。
東京大学工学部卒業。
同大学院工学系研究科。

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「お前を東大にやる金はない」
そう言われても諦めず、このblogを見つけた君にささげよう。
私は乗り越えた。君にもきっと、できる。


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